縦:約60mm
横:約45mm
作者:チーロ・エスポジート
QR:アーティスティッククオリティ
※カメオのアクセサリー加工および額装によるインテリア加工をご希望の方は、ご相談の前にプロフィールをご一読ください。
イタリアカメオ協会の会長も務める名匠チーロ・エスポジート氏のカメオです。
チーロ・エスポジート氏は日本でシェルカメオ作者としてよく知られるフランチェスコ・エスポジート氏の息子にして後継者であり、フランチェスコ氏の後年の作風を引き継いだ作風を持ち、その作風を更に伸ばしてエスポジートスタイルの女性像を築き上げるに至りました。
得意とする傾向はプロフィールの女性像で、フランチェスコ氏の後期作と彫りの傾向が似ていますが、フランチェスコ氏のプロフィールは目に鋭さがあり表情がやや厳しいところ、チーロ氏のプロフィールは表情が柔らかく優しさが漂います。
有名作家の後継ぎとして知られる作者は数多くいるものの、先代より高い評価を得ている作者は珍しく、チーロ氏はよりその作風に磨きをかけ高い評価を得た珍しい存在と言えるでしょう。
本作はそんなチーロ・エスポジート氏のプロフィールカメオです。
チーロ氏らしく柔らかな質感のある肌と髪に、厚みのあるの布の質感。
貝の部位はちょうど外周の中当たりの瘤の部分で、そこを使って厚みを出しております。
比較的大判といえる60mmという大きさに厚みのある白色層をよく残して彫り上げていることもあり、なかなかに存在感があります。
背景には鋲打ちのようなカメオとしては珍しい装飾に、逆にチーロ氏の作品ではとりわけ一般的な花の装飾が見られず、外周の鋲打ちの装飾がどこか馬蹄を思わせることもあって、華やかな貴族の婦人というよりも素朴な騎馬民族の村娘のような印象を受けるカメオです。
色の濃い殻口付近の部位であるようで地色はコーヒー色。
白色層と褐色層の間にはにじみのある薄層があり、これを使って首元に落ちる影などを絵画的に表現しております。
状態は素晴らしく、褐色層・白色層ともにヘアライン一筋もない完品となります。